第65回高圧討論会にてNanoTerasuを紹介
2024年11月13日(水)~15日(金)にアイーナ岩手県民情報センターにて開催されました、第65回高圧討論会(主催:日本高圧力学会)において、NanoTerasuの利用促進業務を行う公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)がSPring-8と共にNanoTerasuの紹介を行いました。
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NanoTerasu共用ビームラインで世界最高のエネルギー分解能を達成
NanoTerasuセンターの宮脇淳主幹研究員らは、3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuの共用ビームラインBL02Uにおいて、X線実験技術「共鳴非弾性X線散乱(RIXS)」用の装置を整備し、世界最高の性能(エネルギー分解能16.1meV)を達成しました。従来の記録(22meV)を大きく更新し、測定の高効率化にも成功しました。
(9月18日プレスリリース)
日本原子力学会放射線工学部会奨励賞を受賞
NanoTerasuの電子加速器と放射光ビームラインの放射線遮蔽設計をモンテカルロ計算コードPHITSで実施した論文(doi:10.1080/00223131.2023.2290063)についてNanoTerasuセンター基盤技術グループの松田主任技術員が2024年度日本原子力学会放射線工学部会奨励賞を受賞しました。
受賞式は9月12日(木)に東北大学川内キャンパスで行われました。
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NanoTerasuでレーザー学会の研究会を開催
レーザー学会の第589回研究会「次世代レーザー加工」が2024年9月9日にNanoTerasu内の見学ホールを会場に開催されました。NanoTerasuの見学ホールを会場にしての研究会の開催は初めての試みですが、30名程度の参加者のもと、5件の研究発表と実験ホールの見学会が行われました。
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大学等放射線施設協議会 第5回森川記念賞(優良放射線事業者表彰)を受賞
NanoTerasuセンターが実施した「国内放射光施設初の実験ホールの非管理区域化を目指した取り組み」が、大学等放射線施設協議会から「特色ある優良な放射線安全管理の取り組み」及び「優良な放射線利用の取り組み」として認められ、第5回森川記念賞(優良放射線事業者表彰)を受賞しました。表彰式は9月6日(金)に東京大学農学部弥生講堂で行われ、NanoTerasuセンター基盤技術グループの萩原グループリーダーが記念講演を行いました。
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国際会議SRI2024で西森GLや宮脇主幹研究員らが講演
ドイツハンブルクで2024年8月26日から8月30日にかけて開催された国際会議 “15th International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation (SRI2024)” にて、NanoTerasuセンター加速器グループの西森グループリーダーやビームライングループの宮脇主幹研究員らが講演を行いました。
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東北大学川越助教らにより、NanoTerasuを活用した学術論文が公開されました
NanoTerasuコアリションビームラインBL08Wの観察データを用いた論文が公開されました。
この研究ではBL08Wでの「広角X散乱測定」を用いて、次世代エポキシ樹脂の分子構造の解明に貢献しました。
東北大学プレスリリース(東北大学ウェブサイトへ):次世代エポキシ樹脂の分子構造と力学・光学特性の相関… | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
SRI2024でNanoTerasuを紹介
2024年8月26日(月)~30日(金)においてドイツ・ハンブルグにて開催されているSRI2024(15th International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation)にて、NanoTerasuの利用促進業務を行う公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)が中心となり、国立研究開発法人理化学研究所と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と共にNanoTerasuの紹介を行いました。
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第21回国際生物物理会議でNanoTerasuを紹介
2024年6月24日(月)~28日(金)において国立京都国際会館にて開催されました、第21回国際生物物理会議(21st IUPAB Congress 2024/IUPAB2024)にて、NanoTerasuの利用促進業務を行う公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)がSPring-8と共にNanoTerasuの紹介を行いました。
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国際会議IPAC2024にて西森GLが招待講演を行いました
アメリカ合衆国ナッシュビルで2024年5月24日に行われた国際会議 “The 15th International Particle Accelerator Conference”(IPAC2024)のプレナリーセッションにおいて、NanoTerasuセンター加速器グループの西森信行リーダーが、日本の円型加速器放射光源の開発状況と将来像について招待講演を行いました。
学会名: The 15th International Particle Accelerator Conference
Title: Recent development and future direction of ring-type synchrotron light sources in Japan
概要: 世界に50台程度ある蓄積リング放射光源のうち9台が日本にあるが、第3世代放射光源はSPring-8のみであり、高輝度性能を有するのは硬X線領域のみであった。第4世代放射光源として日本初のMBAリングNanoTerasuが建設され、2024年4月から国内の従来光源と比較して10~100倍の高輝度軟X線・テンダーX線のユーザー提供を開始した。2029年に稼働を開始するSPring-8-IIと共にツインMBA放射光リングとしてNanoTerasuは国内の放射光プラットフォームを形成する。KEKのコンパクトERL(Energy Recovery Linac)は将来のEUVリソグラフィー用の高出力自由電子レーザーのプロトタイプとして開発が進められている。
Proceedings(英語): 10.18429/JACoW-IPAC2024-FRYD2
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国際会議IPAC2024にてNanoTerasuビーム調整の進捗を報告
アメリカ合衆国ナッシュビルで2024年5月19日~24日に行われた国際会議 “The 15th International Particle Accelerator Conference”(IPAC2024)において、QSTの上島主幹技術員がNanoTerasuにおけるビーム調整の進捗についてポスター発表を行いました(NAT, JASRI, SES, 理研との共同研究)。
学会名: The 15th International Particle Accelerator Conference
Title: Status of beam commissioning at NanoTerasu
概要:
日本に新しく建設された3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuのビームコミッショニング状況について報告を行った。線型加速器の調整を2023年4月に開始し、わずか10日間の調整で電子ビームのエネルギー3GeVを達成した。6月から蓄積リングの調整を開始し、初めからオフアクシス入射を入射軌道調整を行うだけで達成できた。電磁石の精密アライメントのおかげで、調整開始初日に入射ビームは軌道補正用電磁石を使う事なく300ターン周回した。2023年11月には蓄積電流300mAでtop-up 運転の試験を行なった。
また2024年4月9日からユーザー利用運転を開始し、高い信頼性で高性能ビームを供給できたことを報告した。
Proceedings(英語): 10.18429/JACoW-IPAC2024-TUPG40
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NanoTerasuを用いた初の学術論文が公開されました
NanoTerasuのコアリションビームラインBL10Uを用いた観察結果より、NanoTerasu初の学術論文が公開されました(東北大学、住友ゴム工業株式会社の共同研究)。
この研究では、「X線タイコグラフィ」と呼ばれる手法により、高い空間分解能で試料の観察に成功しています。
東北大学プレスリリース(東北大学ウェブサイトへ):テンダーX線タイコグラフィで世界最高の空間分解能を達成 -3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuを用いた初の学術論文-
学術論文(英語): Towards Sub-10 nm Spatial Resolution by Tender X-ray Ptychographic Coherent Diffraction Imaging – IOPscience
NanoTerasu整備新たな局面へ、歴史的瞬間の到来 – ファーストビーム達成
NanoTerasuは、令和5年12月7日において、ファーストビーム*の達成を祝いました。この歴史的瞬間には、小安理事長(QST)、高田理事長(PhoSIC)、稲田課長(文科省)、小嶋副部長(宮城県)、柳津経済局長(仙台市)、植田理事(東北大学)、宮本副会長(東経連)、茂田井部長(七十七銀行)にご臨席いただきました。
小安理事長(QST)と高田理事長(PhoSIC)が、それぞれビームラインBL13UとBL10Uのメインビームシャッターを開く操作を行い、各ビームラインの光学ハッチ内のスクリーンに放射光が到達したことを確認。詰めかけたスタッフ共々この感動的な瞬間を共有しました。ファーストビーム達成により、実験ホール内に放射光が導入され、今後のビームライン整備が加速されることが期待されます。次世代型の放射光施設として先端挿入光源から初めて導入された放射光X線は、今後、新たな科学技術の扉を開くきっかけとなります。NanoTerasuは、未来において革新を起こすためにさらなる一歩を踏み出しました。
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量子科学技術研究開発機構の小安理事長(左)と光科学イノベーションセンターの高田理事長(右)
*円型加速器内に設置された挿入光源からの放射光X線を実験ホールに初めて導入し、観測すること。
「60 years of Synchrotron Radiation in Japan (JPSR60)」にてNanoTerasu施設を紹介
10月24日から10月25日にかけて、日本放射光学会の主催で「60 years of Synchrotron Radiation in Japan」が自然科学研究機構岡崎コンファレンスセンターにて開催され、量子科学研究開発機構 次世代放射光施設整備開発センターの内海センター長が「Nanoterasu, a new 3GeV SR facility in Japan」と題して施設について講演いたしました。
日本物理学会においてNanoTerasuを紹介
9月17日-19日の間に開催された日本物理学会において行われた共催シンポジウム「次世代放射光NanoTerasuによる最先端軟X線分光とその展望」および、市民科学講演会「最先端の科学を仙台の地から」の「科学と技術の先端をつなぎ、明日を拓くNanoTerasu(ナノテラス)」において、NanoTerasuを紹介いたしました。
円形加速器(蓄積リング)で電子蓄積に成功
6月16日に円型加速器において3GeV電子蓄積に成功したことを発表しました。
▶詳しくはこちら
ナノテラス線型加速器で3GEV電子加速に成功
線型加速器での3GeV達成は軟X線波長領域の高輝度放射光源実現に向けた大きなマイルストーンです。
今後は、円型加速器への電子ビーム入射及び蓄積試験を予定しており、令和6年度の運用開始に向けて加速器調整を継続していきます。